こんにちは、新しいテクノロジーはとりあえず使ってみたい人、uru(@uru_)です。科学と社会のつながりを紹介するのも私の生業の一つです。
先日、Twitterでリンクジャパンさんのあるツイートが目に留まりました。
誰か使用感をお伝え下さい〜! https://t.co/aTcRmXPH8B
— リンクジャパン公式アカウント@スマートホーム推進中 (@linkjapan_iot) 2019年3月28日
確かに 。私もすごく知りたい。
IoTとかスマートホームとか、名前はもう何年か前から聞いているのだけれど、実際に自分の家でやってみたという話は私自身もほとんど聞いたことがありません。似たような趣向の人が周りにいないのか、単に自分の家のことだから人に話さない人が多いのか、理由はよく分かりません。
そんなとき「uruさんのスマートホームを見せてもらいたい」と職場の同僚が申し出がありまして、視察団を招待したところ、なんかすっごく驚いて帰っていきました。ああ、結構知りたい人・体験してみたい人いるんだなぁと。
もしスマートホームを自分でつくっている人(DIYする人)やこれからもっと知りたいという人とつながったら面白そうですよね!
そこで今回はとりあえず2019年3月時点での我が家のスマートホーム化進捗状況について、下の図をもとにご紹介します。
(図に整理したら思いの外複雑で自分も驚きました)
スマートホーム化で特に重要なのは「スマートリモコン」
今回は以下の3つを紹介します。
- 我が家のスマートホーム化状況
- 我が家のスマートホーム化していない部分
- これからこうなったらいいなと思うこと
我が家のスマートホームの重要なのは、第一に家にネットワーク環境があることです。
そして、その次に重要なのは家電操作のハブになる装置を準備することです。我が家ではスマートスピーカーのAmazon Echoシリーズ(Alexa)とスマートリモコンのeRemotoシリーズの2つを利用しています。
特に重要なのが、スマートリモコンです。
これからスマートホームをやりたいと思っている人、または難しそうと思っている人の中には、スマートホームにはそれに対応する家電が必要だと思っている方がいらっしゃるかもしれません。
確かにそういう家電もありますが、まだ種類が少ないし、何よりお高いです。実は専用家電なんかなくても、スマートリモコンと赤外線リモコンに対応した家電であれば、ほとんどすべてスマートホーム化できてしまいます。
スマートリモコンはいわば「ボタンのないリモコン」です。その代わり、スマートフォンのアプリ操作やスマートスピーカーの音声入力で動かします。
最初に一度スマートフォンを使って普段使っている家電のリモコンの赤外線信号を学習させておくだけで、1つのスマートリモコンで複数種類の家電を操作することができます。
スマートリモコンを使って得られる効用は、大きく3つ。
- たくさんのリモコンの乱雑さ・操作方法・置き場所の問題から解放される
- スマホの操作や音声でどこにいても操作できる(遠隔操作)
- あらかじめ設定した時間に勝手に動かすこともできる(自動操作)
ちなみに我が家では「eRemote」と「eRemote mini(2台)」の計3台が部屋の隅にこっそり隠れています。この3台で私・妻・子の3人暮らしをしている2DKのほぼ全てをカバーしています。
子どもはまだ就学前ですが、スマートホーム化すると「子どもの手に届かないスイッチ」というものが存在しなくなります。部屋の明かりなど、基本全て自分で操作してくれるので親としてもすごく助かります。逆に触ってほしくない家電もリモコンが見えないので親が教えない限り子どもは知る由がないのもGOODです!
eRemoteの設定は別の記事で紹介しています。ただし古くなっていますので、最新バージョンはeRemoteの公式サイトをご参照ください。
我が家のスマートホーム状況はこんな感じ
ここからはもう少し詳しく状況を見ていきましょう。
家電に命令を送る(入力)
家電に命令を送る方法は、
- スマートフォンのアプリ操作
- スマートスピーカーの音声入力
の2種類を使用しています。
詳しくは後述しますが、スマホから手動操作するのはエアコンだけです。帰宅前に外出先で操作する際に使います。それ以外はほとんど全てスマートスピーカーから操作します。
使用しているスマートスピーカーは、Amazon Echo、Amazon Echo dot(図は間違えてminiになっている)、Google Home miniの3つ。
ただし、Google Homeは家電操作にはしていません。洗面所で天気予報やニュース、検索をかけたりするときに使用します。手が濡れていたり物を持って塞がっていたりすることが多い場所なので意外と便利です。子どもと知らない言葉が出てきたときは、すぐに一緒に調べます。
家電を動かす(入力:スマートリモコンからの赤外線操作)
スマートスピーカーに向かって、例えば「アレクサ、リビングの電気をON」 といったように命令をすると、リビングの電気がつくように設定しています。我が家では現時点で8種類の家電を連携させています。
全て専用のリモコンがありますが、テレビ以外は普段見えないところに片付けています。テレビはボタンや十字キー操作が多いので、声よりボタンの方が圧倒的に操作がスムーズです。
でもそれ以外の家電はON/OFFかよく使っている機能を使うだけですから、声の操作で事足ります。
あと、エアコンの操作はeRemote mini系統ではなくeRemote系統なのには理由があります。miniじゃない方のeRemoteには温度センサーが入っています。eRemote本体を本棚の上に置くことで、家の中でもっとも暑くなりやすい天井付近の温度をスマートフォンで確認ができます。家から帰るときに遠隔操作でエアコンをつけるかどうかは、ここで判断しています。
我が家は2DKですが、エアコンは1台しかありません。天井付近の温度と同時に利用するのが2台のサーキュレーターです。
この2台はAlexaのアプリ上でグループ化されているので「サーキュレーターをON」と言うだけで、2台とも動きます。あらかじめ部屋の空気が素早く循環するような配置と向きに最適化されているので、結果節電につながるんです。
詳しくは下記の記事もご参照ください。
家電を動かす(入力:スマートプラグからの通電ON/OFF)
先ほど紹介したサーキュレーター2台のうち、1台は赤外線リモコンに対応していませんので、スマートリモコン以外の連携方法を用意する必要があります。
解決方法は大きく2つあります。
- リモコンコンセントを使用する
- スマートプラグを使用する
どちらもコンセントと家電のプラグの間にかませて使います。リモコンコンセントは赤外線で電気の流れをON/OFF変えられる機器で、スマートリモコンとの連携ができます。結構安くて便利ですが、赤外線を使うためスマートリモコンとの間にモノが置けないという弱点があります。コンセントって普通低い場所にあるので、これが意外と制限になったりします。
そこで今は、スマートプラグを使っています。こちらはネットワークを介して電気の流れをON/OFFする機器です。
我が家ではMerossというメーカーのスマートプラグを3台使用しています。1台1700円前後で売られています。Alexaとも連携でき、地味に便利です。
例えばサーキュレーターは、本体についているつまみのスイッチをあらかじめONにしておくことで、通電の切り替えで操作ができます。モニターのON/OFFのほか、間接照明の遠隔操作にとても便利です。
家電を自動操作する(タイマー機能の利用)
スマートリモコンやスマートプラグの便利なところは、遠隔操作だけではありません。むしろ本領を発揮するのはタイマー機能を利用した自動操作の時です。あらかじめ時間を設定さえしておけば、もはやスマホもスマスピも使いません。そして、これをうまく利用することで、家全体の節電効果を最大限得られます。
タイマー機能が一番活用できるのは、朝です。
我が家の場合、平日の起床時刻は5:30です。起きたら必ず照明をつけ、テレビで朝のニュースを見ます。8:00には家に誰もいなくなります。
家族の行動がはっきりしているときは、タイマー機能は大活躍します。ライトやテレビのON/OFFの時間、夏冬なら起床30分前にエアコンとサーキュレーター、出勤・通学のあとはロボット掃除機をON、過充電を防ぐために充電器はOFFといった具合です。
夜は子どもの睡眠を促すために、20:30を過ぎると照明が暗くなります。0時は大抵全員眠るので、照明は全てOFFになります。節電だけでなく、良質な睡眠を得られるようになるのもスマートホーム化の良いところです。
スマートホーム化していない部分
ほとんどの家電を連携させスマートホーム化を実現している我が家ですが、プッシュボタン式の家電はまだ連携できていません。
我が家の場合、加湿器や自動湯沸かし器がそうです。
加湿器は連携させたい家電です。エアコンやサーキュレーターが簡単に連携できるのに対し、加湿器は赤外線リモコン操作対応って多くないですからね〜。でも空調って基本的に室温と湿度の2つで決まります。冬にエアコンで暖房をかけるにしても、室内の湿度の違いで温まり方も感じ方も変わってきます。これなんとかならないかなぁ。
給湯器も問題。なんでお風呂沸かすのにいちいちボタンを押しに行かなくちゃならんのかって話ですよ。
スマートホーム化を進めると、いかに自分の行動が家電によって操作・制限されていたか痛感することになります。
そして願わくば、風呂のフタも遠隔操作で開閉できれば最高なのに、くらい思っています。
ちなみにプッシュボタンの連携は「マイクロロボットプッシュ」のような小型ロボットがすでに市販されています。問題はこれが高いこと!なので流石にまだ手を出していません。
超小型ロボット マイクロボット・プッシュ マイクロボットプッシュ・2ndジェネレーション
逆に、スマートホーム化できるが興味が湧かなくて導入していないものもあります。例えば、
- カーテンの開閉
- 窓やドアのキーの開閉
- 防犯カメラ
導入しない理由はインターネットのセキュリティーに深刻な問題が発生した時のリスクが大きすぎるからです。要は丸裸になるのと同じですしね…。
極端な話、エアコンが不正な遠隔操作で暴走して家が燃えたとしても、火災保険に加入していればリスクは回避できます。でも、家の中をのぞかれたりカギが開けられてしまったりしても、おそらく現在の制度では過ぎたことはどうにもできなくて泣き寝入りするしかないんじゃないかと考えています。それは怖いです。
これからこうなったらいいなと思うスマートホームの未来
最後に、これからのスマートホーム化で私が期待することに触れます。
物理ボタン系家電をスマートホーム化したい
第一に、既存の家電をネットワークに対応させるのではなく、既存の家電をネットワークから操作することを助けるIoT機器がもっと安く手に入るといいなと思います
そういう意味では、eRemoteって素晴らしいんですよね。赤外線というすでにある技術を利用しているだけなので。そして赤外線は送りっぱなし。実際に家電がどのように動いたかをフィードバックする機能が入っていない。つまり、個人情報を抜き取っていないという点が私にはドンピシャです。
なので、まず期待したいのは物理ボタン系家電のスマートホーム化促進ですね。マイクロロボットプッシュが安くなったら、ものすごく色んなところで使いたいです。
センサー系IoTの充実
第二に、センサー系がより一層充実して欲しいなぁということ。
私は自分の行動を家電に操作されたくありません。ですので、究極的には人間が命令を送る(入力)する必要が一切ないのが理想です。
家の中には室内環境を決める変数がいっぱいあります。温度・湿度・二酸化炭素濃度・照度・音などなど。しかし現状では「時刻」しか自動操作ができていません(「温度」は自分で判断し手動操作中)。
リンクジャパンからはeSensorというセンサー系が出ています。結構古くから出ていますが、私がこれを買っていない理由は価格とデザインです。大きいし、正直見た目も良くない。でもその問題が解決したら、eRemoteと同じく部屋に1台置きたいくらいの代物です。
電気・ガス・水道などの資源利用の最適化
最後は環境に関することです。
家電への命令を減らしたい理由は、単に自分がめんどくさいだけではありません。そもそも人間はそんなに合理的には動けないという話です。
これからの時代、資源をどうやって最適に利用していくかが大きな課題になる時代がやってくると私は考えています。すでにリンクジャパンではeMeterという電気・ガス・水道のメーター向けのIoT機器が出ていますが、問題はそこで得られた数値の利用方法です。eMeterは法人向けの商品だと思いますが、最終的に行動するのは「そこにいる人」なので、得られた数値で「そこにいる人」が良い方向に向けられるような工夫があったらいいなと個人的には思います。
例えば、私は1日にどれくらい二酸化炭素を出したのか(ペットボトル何本分?)
電気を使っても家の中では二酸化炭素は出ませんが、電気の8割は火力発電、実際はガンガンに燃やして二酸化炭素を出しています。でもそれって普段実感する仕組みがないですよね。2018年に二酸化炭素濃度が過去最高とか言われても、全然ピンとこないのは自分がどれくらい出しているのかわからないことも一因じゃないかと思います。
もしスマートホーム化がひとの意識まで変えられる可能性があるとしたら、それこそ大きなイノベーションでしょう。
おわりに:これからも新しいモノは試してみたい!
ここまで読んでくださった方が「コイツ、単なるガジェットオタクじゃない!!」って思ってもらえたらいいなと思います(笑
家の中の環境をアップデートするスマートホーム化、その橋渡しとなるIoT機器はこれからも楽しみです。
また新しいものが出たら、紹介していきます。