こんにちは、uru(@uru_)です。
先日、映画『search/サーチ』の試写会に行ってきました。
この映画の謳い文句は「全編PC画面」。文字通り最初から最後までパソコンの画面で構成されているという異色の映画です。
本当にそんなんで映画になるのか?、と俄然興味が湧いて試写会に応募してみたら偶然当選したので行ってみたわけです。
結論から言うと、面白い!その面白さはこれまでとは全く異なる没入感。映画なのに映画と現実の区別が曖昧になっていく、そんな感覚に襲われました。
30〜40代の人は、ぜひみて欲しい!
それは紛れもなく“現実(リアル)”
この記事もまさに電車の待ち時間中にiPhoneで下書きしているものなのですが、今私がいる駅の構内と、画面上の入力フォーム、果たしてどちらが現実(リアル)でしょうか。
バカな!と思ったあなたほど、映画『search/サーチ』を見たときの没入感に衝撃を覚えるかもしれません。
16歳の娘と父。ある日連絡が取れなくなった娘を探すために、娘のSNSにアクセスし友人関係を洗い出す中で見えてくる、父親の知らない娘の姿……。
同じく娘をもつ私も、もし同じ状況になったら手段を選ばず似た行動を取ってしまうかもしれない。
しかし真の見所は単なる既視感が、現実感となって見ている人を引き込んでしまうことにあります。
最後まで見ると、サスペンスストーリーとしてはそれほど特別ではありません。確かに意外な展開にはなりますが、抜きん出ているわけではありません。
いや、むしろ飛躍ではないからこそ、PC画面で見せられる“それ”は逆に私たちが“現実”だと認識させられる。
画面上の出来事を、仮想空間ではなく”現実“と認識している”現実“をメタ的に認識させられる。
おそらくこのレビューだけでは説得力も納得も引き出せないものが、間違いなく映画の中にあります。
没入できるのは30〜40代?
ただし、全員が全員没入できるとは私は思いません。映像手法は斬新だけど、人を選びます。
まず、SNSの怖さという意味では10代に見せるのも教育的意義があるかもしれませんが、父親の必死さとそこから派生する行動、推察と検索、そしてパソコンの世界観に共感できるかはちょっと怪しいかもしれません。
それに、10代は完全にスマホネイティブ世代ですし。
懐かしさを感じるのは30〜40代。ただしPC操作経験にもよります。日本の場合、ミレニアル世代でもパソコン所有率に生育環境上の差があることを鑑みると、父親の行動が理解できない人もいるかもしれません。
この辺は情報環境にお国柄が出ますね。もし日本ならスマホ画面だけ演出するという可能性もないわけではありませんが、今回の映画を見る限りでは、マウスのポインターが演出上かなり重要な役割を果たしています。スマホだと同じ演出ができないし、縦画面の短い動画じゃないとウケないかもしれません。
おわりに:ハッシュタグをサーチせよ!
新しい映像体験に興味がある人、予告ストーリーにドキッとできる人なら、この映画は最適です。ぜひ強くお勧めしたいです。
ちなみにこの映画は「#全編PC画面」のハッシュタグで視聴者参加のイベントも行っているようです。
これから見る人も、もう見た人も、サーチしてみてはいかがでしょう。
そして考えてみてください。
あなたが見ている“それ”は、“現実(リアル)”ですか?