こんにちは、uru(@uru_)です。前回に引き続き、香川・高松をぶらりぶらりと旅しています。
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香川の旅#1でご紹介したレンタサイクルを使って次に向かったのは「特別名勝 栗林公園」です。「栗林」は「くりばやし」ではなく「りつりん」と読むそうなので間違えると(私のように)恥ずかしい思いをします。
日本の文化財庭園の中では最大の大きさらしい、この庭園。すぐ隣には紫雲山という山もあって、江戸時代初期の庭園風景を楽しめます。
そう、前回が海だったので、次は山だろうという、単純思考です。
京都もいいですが,こちらもまたなかなかの風景でした。特に日本の風景というと,春は桜,秋は紅葉といったようについつい色付く季節ばかりを選びがちですが、自然が最も自然らしく豊かなのは,もちろん夏。ガンガン光合成して緑葉美しい姿をじっくり堪能してきました!
文化財庭園では日本最大級!栗林公園
ではさっそく栗林公園に入ってみましょう!
この栗林公園の庭園、作られ始めたのが16世紀後半だそうで、庭の主がコロコロ変わり、江戸時代、水戸光圀(水戸黄門)の兄・松平頼重、頼恭の時代に完成したそうです。その後明治維新までの228年間は松平家が管理し、明治8年(1875年)以降は県立公園となって現在に至るそうです。
素人視点ではうまく説明できないですが、京都の庭園とはなんとなく違う感じがします。
入ってすぐに目につくのが「松」。非常に良い枝ぶりをした松が何本も並んでいるのはなかなか壮観です。
松平家だから「松」というわけではなく、桜や梅,茶など季節を代表するような木が庭園の色々な場所に植えられています。
ちなみに松は非常事態に皮(?)を食べることができたり燃やして燃料にもできる植物なんですよね。日本の城の周りに松が多いのは,縁起がいいだけでなく、結構ガチな籠城戦を想定したサバイバル用の食料だったりするわけです(栗林公園の場合はそういう目的じゃないでしょうけど)。
さて、栗林公園は大変広いので、その中でも見所スポット(インスタ映えもする?)が各所に存在します。ちなみにどれくらい広いかというと、16.2ヘクタールくらい。東京ドーム3.5個分だそうです。ドーム行ったことないので分かりませんけど。
観光雑誌やWEBサイトでは「飛来峰からの景色」という写真をよく見かけます。公園の中に「〇〇峰」といったように、ちょっと小高くなっていて高いところから見下ろせるスポットがいくつかあるのです。
ただ、個人的に一番良いなぁと思ったのが「芙蓉峰」。
「芙蓉」は「富士」の別名で,要するに富士山の形に似ている場所です。そこからは奥に紫雲山、下に赤い色が特徴の梅林橋、そして手前に北湖という3つが揃った素敵な情景が見えます。
かなり広い庭園にもかかわらず、細微にこだわって造られたことはすごくよく分かります。
しかもそこには日本の自然観が垣間見えます。人工物が主張することなく、生き物の美しさを最大限に引き出そうとするそのプロデューサー魂(?)に日本人としての誇りがくすぐられますし、海外の人に見せたい日本の心ってまさにここにあり!って感じがするのです。
先ほどの芙蓉峰と反対の位置にある紫雲山。そこにはなんと観賞用でポンプでわざわざ水を引いている滝「桶樋滝」があります。
松平家よ・・・そこまでやるか・・・。
思わずツッコミ入れたくなる大仕掛けですけど、こういうところには日本らしさを感じずに入られません。
庭園も,この滝もそうですけど、日本の言う「自然」とは「ありのまま」じゃないんですよね。もし本当に「ありのまま」なら草ボーボーがいいところ。日本人には日本人の美学があって、素材を生かしてめっちゃ繊細に並べて手入れして形作って、ありのままじゃないけど、それっぽく見える「自然」を作り出している。
この公園は、そう言う日本人のこだわりがモロに主張されている感じがします。
おわりに:造園技術に和の心そこにあり
同じものを見ても、感じ方は人それぞれ。栗林公園を見て日本の自然観が垣間見れる場所だと思いますが、「あ〜綺麗だな〜」「時の流れが他と違うみたい!」の裏にある造園家と松平家のとんでもない情熱を私は感じずにはいられませんでした。
しかも、そのこだわりは、時の流れによって変化するからまたすごい。
今回の訪問は8月末の緑葉の美しい季節でしたが、また別の季節,別の時間帯に見に来たら,印象が変わるんでしょう。
ぜひ他のタイミングにまた行ってみたいものです。