こんにちは,uru(@uru_)です。前回は日本橋にあるタイニーハウスを使ったキッチンスペース「BETTARA STAND 日本橋」について紹介しました。
前回はそもそもなぜBETTARA STAND 日本橋さんを訪ねたのか、その理由を書いていませんでした。本当のところをいうと,さんがタイニーハウスでできているということは、後から知ったことなのです。
本当の訪問の目的は8/6(日)に「はじめての本屋」で行われた『がんばる、をやめる学校』というイベントに参加するためだったのです。このイベントは『バイトやめる学校』の著者,山下陽光さんの話を聞くことができるというものでした。
この本は、今年読んだ本の中ではかなり興味深いのでしたが、まだ自分の中で理解を落としきれていない本でもありました。そんな状態だったので、著者である山下陽光さんが一体どんなひとなのか、どんなことを考えているひとなのか、直に話を聞いて見たくい、と思ったのです。
『バイトやめる学校』とは?
『バイトやめる学校』の著者・山下陽光は2017年より福岡でリメイクファッションブランド「途中でやめる」を運営されている方。
ファッション業界は非常に縁が遠い領域なので正直なところ私には全く分からない未知の世界なのですが、この本で語られている内容は、もしキーワードを挙げるなら「お金」「仕事」「時間」。これら3つとどう付き合っていくかを山下さん独特の視点から捉えられています。
ただし、あえて「もし」と付け加えたように、今述べた紹介はあくまで本を読んで再編集された私の解釈です。最初にも述べたように,本当のところは十分理解が整理できていないというのが本音なのです。それくらい、山下さんの視点は独特かつ斬新です。
本の最後には「この本をメルカリで売れ」と言っているくらい(もちろんこれにも理由があることをあとで知ります)。かなり、面白い。
その一例として、
- 「給料の1/3が家賃で消える」
- 「家賃が安ければ,安くなった分,働かなくてよくね?」
というところから、今回参加したイベントは突然話が始まっていきました。
「生きるためのお金」とは?
本を読んで受けた印象とほぼ同じように、山下さんのトークは進んでいきます。その印象とは「雑多」「整理されていない思考」。そういう意味では,読み手/聞き手はその話についていくのが結構大変。
なのに、その話の中身には何か真をつくようなものがあり、気づくとその話にのめり込み,色々なことを考えされられる。それは言い換えると、山下さんのアート性とも繋がっているのかもしれません。
あと、念のため言っておくと、これらは決して悪い意味で言っているわけではありません。おそらく他の誰にも真似できない、強烈に心を惹きつけられる何かがある。そんな感じです。
トークの中で語られたのは、私なりに整理すると、
- 生きるために、いくら必要か?(実はそんなに必要ない)
- お金は複数から儲けることができる。(特にスマホがあれば)
- 好きなことを商売にしたいか?(自分のできることと世の中の需要との関係)
の3つ。特に共通しているのは,今の日本の資本主義に対する疑問の投げかけです。
- 「給料の1/3が家賃で消える」
- 「家賃が安ければ,安くなった分,働かなくてよくね?」
という問いにもあるように、給料のうち住居費で消える部分が多い。もし住居費がもっと安く済めば,そもそもそんなに給料は必要ない(実際、地方は平均年収は低いが家賃相場も安い)。
だけれど、みんな年収は高い方が良いと思っている。その自分の手元に入ってくるお金も多くは1つの会社や団体から入ってくる人がほとんど。
けれど、スマホを使えば複数からお金を得ることもできる。例えばこの本をメルカリで売ればいい、というのもその話につながります(私は電子書籍派なので、本の魅力とトークをこのブログで書いています)。
ただ、ここまでなら最近はやりの生き方・働き方に関係する
自己啓発系の本と同じです。とは言っても、みんなやっぱりお金の得方を考えるし、どうせもらえるなら、確実にもらいたいと思ってしまう。
山下さんは,自分が本を刊行したという立場を踏まえながら、そこに加えて「サロンとかで儲けたくない。むしろこっちからお金払いたいくらい」と言うのです。ここが他の自己啓発本とは大きく違うところでした。
ああ、この人は本気で自分の好きなこと、面白いことだけやって生きたいと考えているんだ。
トークの中で感じた印象でした。しかも物欲や資本主義を否定し、お金で得難いものを得ようとしている。おそらく、本のタイトルである『バイトやめる学校』と言うのも本気でやりたいことをやりながら、しかしそれでは食っていけずにバイトでお金を稼ぐ(時間を失う)人に対して特に訴えかけているのでしょう。
おわりに:わたしは何をしたいのか?どう生きたいのか?
トークを聞いたあとでも、まだ私は何か釈然としないモヤモヤした気持ちが今も残っています。
そう、この本の中にも、トークの中にも,一番重要な答えがどこにも書いていないのです。それは「わたしは何をしたいのか?どう生きたいのか?」。刺激は受けつつ、その先までには至らないもどかしさを感じずに入られません。
『バイトやめる学校』と言う本は,ぜひ一読することを個人的にはお勧めします。ただし,万人が面白いと思うとは思えません。あー、なんか当たり前なこと書いてあるな。中身が整理されていないな。そう言う印象を受ける方も、おそらく必ずいます。
逆に、本気で何かしたいと思っている人には全く逆の印象を受けるかもしれない。
私のように,中途半端な気持ちの人間は読むとモヤモヤするかもしれない。
それは読んでみればわかることです。