こんにちは、uru(@uru_)です。最近読んだ『モバイルボヘミアン』という本を読んで大きな刺激を受けたの紹介します。
私は読書記録をブクログに保存しています。その時私は☆の5段階評価をつけており、基本的には「客観(論理的であり信憑性があるか)」と、「主観(私が楽しめたか,人に勧めたくなるか)」で記録しているのですが、この本は滅多につけない☆5つをつけるほど、大変興味深い本でした。
評価に主観が含まれている以上、万人が平等に楽しめるとは思いません。ましてこの本は一般人である私たちから見れば、かなり理想の高い生き方を紹介しているようにも思えるはずです。
ですが、そこに至るまでの道筋は非常に明快かつ論理的であり、時勢を先読みし、積極的な行動(トライ&エラー)を起こした結果、著者2名の今の生き方に至ったことは大変爽快であり、私自身も積極的な行動に起こしたいという気持ちになりました。
著者が以下に記すように
この本をとおして、ぼくたちが提供できるのは「ヒントとインスピレーション」のみ。
なのかもしれませんが、新しい価値観に触れ,今の生き方に新しい息吹を起こしたい人にとって本田直之さんと四角大輔さんの共著『モバイルボヘミアン』は一読の価値が大いにある本だと私は強く思いました。
先見性も妥当性も高く、明快な論理から導き出された”生き方”
著者によれば、
モバイルボヘミアンとは、仕事のために生きるのではなく、自分の好きなことをライフスタイルの中心に据えながら、旅するように働き、暮らす、自由な生き方のこと。 「自分らしくいられる時間をできるかぎり長く持つための方法」であり、「仕事、表現、生活のクオリティを極限まで引き上げるための考え方」とも言える。
と述べているように、「自由な生き方」であり、その方法であり、考え方であるというかなり包括的な概念と捉えることができるようです。
一見すると歯切れの悪い定義なようにも感じられるのですが、思考フレームのない、そして方法もない生き方なんて存在するわけがないのだから至極当然なことを言っているとも取れます。
何より「方法」や「考え方」では終わらない「生き方」という実行性を伴っており、実行性を伴っているからこそ、周囲はそれを評価し、説得力を感じ、憧れることのできるのでしょう。
冒頭のように、この本はヒントとインスピレーションはくれますが、生き方という生きた形になって初めて「モバイルボヘミアン」と自称することができるのです。
上記のことをなぜ長々と書いたかというと、最近の本(特に自己啓発モノ)には「型」や「志向」はあっても、理想とすべき「形」のないものが多すぎると思ったからです。
『モバイルヘボミアン』の道筋として、素晴らしいのは以下の見解を的確に挙げた上で『モバイルボヘミアン』と言う生き方を結論として導き出しているところです。
- 終身雇用制度が崩壊していること。経営者が社員を雇わなくてもいい時代が来るかもしれないということ。
- モバイル・リテラシーを身につけることで自分を移動させる力(モビリティ)を最大限まで引き上げること
- 1,2より,働く人も会社から解放され,個人が場所や時間,お金や組織に縛られずに自由自在に働く可能性が増えること。
この論理はとても明快で説得力があるものだと感じました。1をさらに深く掘り下げれば、終身雇用の会社がその人の人生も手厚く保障する「共同体」としての役割も果たしていたということは、以前このブログでも紹介した『1940年体制』を読むとさらに理解が深まります。
その共同体としての古き慣習がなくなれば、3にあるように、場所や時間、組織から縛られなくなるのは自然です。会社にしてみれば必要な役割だけアウトソーシングすれば解決するのでいちいち社員を雇わなくて良いというのも納得がいきます。
しかし、終身雇用のパラダイムから脱することのできない人が多いのも事実です。
もう一つ重要なのは2。
これについては「ノマド・ワーカー」や、本書では出ないものの関連のありそうな「ミニマリスト」といった「型」や「志向」で終わってしまっているを超えて「生き方」という本質的な課題にまで昇華されている部分は爽快でした。カフェでMacを開いたり、モノを持たない生活をしたりといったものとは指し示す次元が違います。
いや、正確に言えば本田直之さんが『ノマドライフ』という本から一人歩きを始めてしまった誤解を解消したかったという狙いもあったのでしょう。
おわりに:「自由な生き方」に憧れる人なら読まない理由はない
ちなみにこの本は、どんな人が読むと良いのでしょうか。この本を読んでわからなかったことがあったとしたら、その点です。
私のような教員という終身雇用制度の生きていた世界から解脱した人間からするとするっと頭に入ってきて魅力を感じずにはいられなかったのですが、会社のパラダイムから抜け出せない人や、自分には特別な才能などないといった決めつけてかかる思考の持ち主には読んでいても苦痛かもしれません。でもやはり、この本は社会人の,比較的若い20〜30歳の男性を意識して書かれているような気がしました。
ただあえて誤解を恐れずにいうなら、この本は中高生に読んでもらいたい本だなぁと個人的には思いました。単純な話、早く知った方が早く準備できて良い、という話なんですけどね。
この本は,自分が理想と現実の狭間でくじけそうになったら開いて読み返してみたいですね。そして、人生のトライ&エラーに挑戦し続ければと思います。