こんにちは、uru(@uru_)です。
本は人の出会いと似ています。こちらから会いたくて出会う本もあれば、本の方から出会いに来ることもある。
今回紹介する『人生を面白くする 本物の教養』は私にとっては後者でした。3月末に図書室の書籍を整理していたら、ふと目に入った本でした。何百冊の中で一際目立って見えました。
それだけでも十分ドラマティックなのだけれど、本の内容はまさに年度の変わり目には読みたくなるとても合理的かつ実用的な教養の本でした。
グローバルにも対応する,本物の「教養」を考えさせる一冊
この本の目次は以下の通り。
- 教養とは何か?
- 日本のリーダー層は勉強が足りない
- 出口流・知的生産の方法
- 本を読む
- 人に会う
- 旅に出る
- 教養としての時事問題 -国内編-
- 教養としての時事問題 -世界の中の日本編-
- 英語はあなたの人生を変える
- 自分で考える生き方
この本の何が良いって、この目次の順序が素晴らしい。
単に首尾一貫しているというだけでなく、読者に対して欲しいと思う話が次々出てきます。というか、そのように実に巧妙に誘っています。これほどまでそれがうまくいっている本はあまり知りません。
出口さん自身の考える「教養とは何か」に対して、明瞭にまとめられていて引き込まれるのが印象的です。
教養とは何でしょうか? どうして人間には教養が必要なのでしょうか? もし,そう質問されたら,私の答えは「教養とは,人生におけるワクワクすること,面白いことや,楽しいことを増やすためのツールです」という一言に尽きると思います。よりワクワクする人生,より面白い人生,より楽しい人生を送って,悔いなく生涯を終えるためのツール,それが教養の本質であり核心であると私は考えています。
教養のもう一つの本質は,「自分の頭で考える」ことにあります。著名な科学史家の山本義隆氏は,勉強の目的について「専門のことであろうが,専門外のことであろうが,要するにものごとを自分の頭で考え,自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」と語っています。
これ以上引用すると単なるネタバレになってしまうのでこのあたりまでにしますが、出口さんの言う「教養」は「グローバル社会における」と言う枕詞ありきであることも重要なポイントであると私は思いました。その辺りは巷に溢れる自己啓発本とは全く違います。
個人的にグサッときたのは、特に「英語の必要性」と言う部分。私自身今年かなり英語を習得しなければならなくなったのでとても他人事ではないところです。英語を否応なしに学ばなければならないというインセンティブはむしろありがたいです。同時に、論理的な思考の基盤となる母語の重要性にも同時に触れていることから個人的には英語をコミュニケーションの「道具」であって「目的」ではないという点も明確に区別されている点はとても説得力がありました。
おわりに:教養=勉強ではない
教養は知識を得るだけでは足りないという点は出口さんも述べていますが、とかく教養=勉強(特に知識を覚える勉強)と思われがちな面があるので、その誤解を払拭し、教養を改めて見直すのに大変良い本だと思いました。
ただ、これ以上私の学び、考えたことに触れると本を読む楽しみがなくなってしまうので感想はこの辺で。
高校生や大学生は一読する価値があるのでぜひオススメしたいです。もちろん、社会人でも、特に年明けや新年度の初めに自分の価値観を見直すために読んみるのも良いでしょう。
この本に、年度替りに出会えて本当に良かったと思います。
余談
レビューは書いていないのですが、以前読んだ出口さんの本でこちらも良かったのでオススメです。社会人なりたてに読みたかった本です。今回紹介した本とも少し重複する部分があって、より理解を助けると思います。
(続く)