こんにちは、uru(@uru_)です。前回、部活動の外部指導員導入について担任目線から見た心配事を1つ書きました。
今回は少し視点を変えて、子どもの貧困問題と関連づけて書いてみます。
子どもの貧困はニュース等でも取り上げられる通り13人に1人の割合でいると言われています。
ただこの数値は実感とズレがあります。世帯年収の分布は公立校の場合、その地域によってだいぶ異なるからです。産業・企業とも関わりがとても深い。世帯年収の高い地域では貧困は無縁ですが、低い地域では13人どころか3人や2人に1人の割合に跳ね上がります。
それでも日本はまだ機会平等という点で日常生活の中でその差はわずかで、見た目では分かりにくい。しかし部活動では貧困が顕在化します。
貧困の子どもは運動や音楽ができない?
部活動の中で子どもの貧困状態が顕在化する理由は極めて単純で、部活動が学校の中で唯一子どもが所属先を自由に選択できるものだからです。
そして、これも当たり前なことですが、活動によってそれにかかる費用も変わります。基本的には集団活動を伴う部活は部費や消耗品費が高くなりやすいです。
運動部ならユニホームやウェア、シューズ、遠征の交通費,旅費などなど。保護者会やOB会などがあればさらにその会費もかさみます。
吹奏楽などの音楽関係なら自腹で楽器(種類にもよる)やレッスン代、外部での演奏の場合は交通費に楽器の運搬費。美術なら画材など。
基本的に個人が消耗するようなものは個人負担になることが多い。そしてここが最も子どもの貧困が表に出やすいところでもある。
費用を払って欲しいものの、保護者は苦い顔をし、できれば部活をやめて欲しいと願う。一方、集団競技の部活であれば,顧問やコーチから辞めるのを留まるよう言われる。経済的理由で辞めたとしても、今度は友人などの人間関係がギクシャクし、学校内の居場所が徐々に減ってしまう。
このような問題はすでに発生しており、今後増えていく可能性が高いと私は思います。
おわりに外部指導員は貧困の表面化とどう向き合うか?
貧困はデリケートな問題です。海外ならもう少し対応が違うのかもしれませんが、日本の学校では個人の経済的状況は可能な限り表に出ないよう配慮しています。
このような子どものおかれた状況を外部指導員はどのように対応できるのでしょうか?
外部のチームや教室なら月謝を払えなければそれで終わりだし、やめてもそこまでの後ぐされはない。けれど、学校という環境ではこれが成り立ちません。
目下の貧困問題を学校は解決できません。そもそもそういう組織ではない。解決できるとしたら、それは行政しかいないわけですが、部活動のあり方や外部指導員導入を検討する際に子どもたちのこのような状況についてどこまで配慮できるものなのか、それは深く議論する必要があるでしょう。