今年もセンター試験1ヶ月前になろうとしている。
すでにセンター試験に向けて各科目の対策に励んでいる人は多いだろうし,
プレテストや直前パック等で実践力を磨いている人もいるだろう。
しかし,それでももしかするとセンター生物基礎&生物は
過去問の少なさと質の悪さが相まって本番同然の練習が不足しがちになる。
どんな問題が出るか計りにくいセンター生物基礎&生物を受ける人は
多少無理をしてでも「本番により近い問題」の練習を1ヶ月前には
心がけてほしい。
そこでオススメするのが駿台の実践問題集。
『青パック』ではなく,生物基礎と生物の単独である。
生物基礎&生物は過去問が少なく,質も良くない。
おそらく生物基礎と生物は
理科の中でもセンター試験の対策が最もしにくい科目である
それについてはすでにこちらの記事でも紹介してきた。
特に1ヶ月前から直前にかけての対策では
その生物の不利な点が大きく出てしまう。
2009年の学習指導要領改訂の影響を受けて,
過去問の演習が3つの理由からうまく機能しないためである。
- 新学習指導要領対応の過去問が追試を合わせても3つしかない。
- 細胞生物学,分子生物学(特にセントラルドグマや発現調節,遺伝子操作など),進化論と分類が過去問にほとんど存在しない。
- 逆に,過去問では頻出だったメンデルの遺伝やカエルの発生といった内容は相対的に減ったため,演習の必要性も相対的に減った。
理系が多く選択する化学や物理は,内容が増えたといっても
根底の学習内容自体に多くの変化はなく,過去問でも対策しやすい。
その点生物は,特殊な問題形式にも関わらず,
どうしても実践的な演習の不足が発生しまいがちである。
実験結果の考察問題や正誤問題などは
本番が近くなったら,できるだけ実践に近い状態でチャレンジしてみたいものだ。
駿台の実践問題集を進める理由。
過去問が頼りにならなければ,何を頼るのが良いか。
それはもう,プロが作った「本番に限りなく近い問題」しかない。
生物基礎や生物は,受験者が多いので基本内容を覚えるタイプの参考書は
とても多い。(オススメ参考書はこちらの記事でまとめた)
ただし,紹介した問題集も実践に近いとはいっても,
演習に耐えるものではない。
実践演習向けというと,選択肢が駿台くらいしかないといってもいい。
無論,過去問はあまり使えないという理由があるので
「過去問題集」を買う必要はあまりない。
オススメはあくまで「実践問題集」だ。
この問題集はセンタープレテストや駿台・ベネッセなどの問題集の
掲載問題が使用されている。
これまで河合塾のマーク模試しかやっていないような人にはむしろちょうどいい。
その試験の平均点や偏差値等も掲載されているので
演習の後,自分の目標レベルに到達できているかの確認にも使える。
さすがに問題を紹介するわけにはいかないが,
センター試験と形式はほぼ同じ。
難易度は少し難しめである。
それでもやる価値があると言えるのは,
解答と解説の説明が比較的読みやすく,ポイントも押さえられていること。
解説の読みやすさは振り返りと情報整理は大変重要なので
この辺りはとても信頼できる。
また,解説の前には
「直前チェック総整理」というページがもうけられており,
限られた紙面の中で図解をなるべく用いてポイントが紹介されている。
文字通り,試験直前に解答だけ持っていっても使えるだろう。
おわりに:実践力をつけて希望を叶えてね!
センター試験は独特な問題,独特な呼吸がある。
単なる実力向上だけでなく,戦略的に1点でも多く取る必要はあるし,
そのために,無駄な努力は極力避け,意味のある学習に心がけたい。
最初にも述べた通りだが,
そのためには,特にセンター生物基礎と生物では
過去問に頼れないことから実践演習不足が懸念される。
別に駿台に固執する気はないが,
本番直前の練習を重ねながら,振り返りを大切にして,
実践力を身につけて希望を叶えてもらえることを心から祈りたい。