こんにちは、uru(@uru_)です。前回、三島スカイウォークについて紹介しました。
上記の記事とは別に、もう一つ紹介したいと思ったスポットがあります。それが「kicoroの森」。三島スカイウォークに入場する南ゲートとは反対側,北ゲート側にある森の散策路です。
明らかに観光客狙いの三島スカイウォークと異なり、「kicoroの森」の存在はそれとは少し趣旨が異なります。三島スカイウォークの公式WEBサイトでは「環境への取り組み」という形で小さく取り上げられているだけですが、個人的には三島スカイウォークの施設の中では最も興味深いと思った場所です。
たぶん、本来森とは空の上から見下すものではなく中を歩くものなんですよね。そんな中から歩いた散策路の様子をお届けします。
kicoroの森に入ってみた
「kicoroの森」は三島スカイウォークの北エリアの一番は時にあります。
私が出かけたのは2017年7月。紫陽花がギリギリまだ咲いている季節でした。
このkikoroの森、具体的な説明はどこにも書いていませんでした。あるいは私がただ見つけられなかっただけなのか・・・。ただ、この森では「森の循環(forest sysle)」がコンセプトになっているようです。
この散策路、ちょっと興味深いのが、その足元。間伐材と思われる木のチップが敷き詰めらていて歩くととっても柔らかい感触が足に伝わってくるんです。
この柔らかい感触を楽しみながら、ゆっくり散策路を進んで森に入っていきます。森といっても、人の手がしっかり入っているのがよく分かります。「人の手が入る」というのは決して悪い意味ではなく、しっかりと枝打ち(樹木の枝を幹から切り落とす作業)されていて地面に火が当たるからこそ,植林された木以外の植物も育っていてこの場所の生態系が保たれています。
本当に人の手の入らない森、特に植林された後放棄されたような森は木が鬱蒼としていて、下には光も届かないので多様な生物のいる生態系は形成されません。
kikocoの森のいう「循環」とは、森と人との調和・共生といったメッセージが込められているように感じられました。
紫陽花の綺麗に咲くこの森の中には、昆虫や他の花も結構混じっていて賑やかな感じがしました。
kicoroとは?
しばらく歩いていると、散策路のあたりに丸い木のキャラクターが足元に現れます。
これがkicoroの正体のようです。
森の中には、このkicoroが点在していて、その中には木と一緒にメッセージが書かれているものがありました。
帰ったあと調べたところ,これはKOMAさんという方が考案された。間伐材を丸く削るという加工技術でデザインされたもののようです。
参照:木コロって? – Kicoro 木コロ~エコでかわいい木のオブジェ
ただし、KOMAさんのkicoroと「kicoroの森」のそれが全く同一のものかは結局よく分かりませんでした。
FROWER DROP
散策路の終点、展望台付近まで登ると「FROWER DROP」という看板を見つけました。
先ほど紹介した「森の循環」のUSE(利用)と関係がありそうです。
どうやら頂上にあるボックスから楕円形の木のを取って、それをどこかに落とすようです。その木には「自然からのメッセージ」という、何かその人の性格に関することが書かれているようです。この木には花の種が付いており、落とすことで自然に還る、というコンセプトのようです。
森の循環といい、FROWER DROPといい、「kicoroの森」の活動にはなんだかとても共感できました。
kicoroの森は誰が作ったんだろう?
「kicoroの森」は三島スカイウォークのそれとは明らかに異なるコンセプトでそこにありました。
帰った後、誰がどのような目的でkicoroの森を作ったのか気になり少し調べてみました。
先ほども紹介したように、kicoroというデザインを考案されたのはKOMAさんではないかと思われるのですが、こちらの森との関連性はよく分かりませんでした。
その代わり「kicoroの森」の代表をされているのは、中山林業の前田剛志さんという,若手の木こりの方のようです。kicoroの森のFacebookページもありました。この方についてのテレビ三遠の特集がYouTubeにUPされていました(37分とちょっと長めな動画です)。
千葉から静岡・浜松天竜にIターンし林業に携わりながらこのような活動をされている、というのはとても興味深いです。テクノロジーを用いて森と生活の新しい関係を作る「FUJIMOCK FES (フジモックフェス)」という活動もされているようですね。
非常に興味深い活動です。
おわりに:代表の方にお会いしてみたい
途中からもう三島スカイウォークとは全く関係がなくなっちゃのですが、kicoroの森のコンセプトやその活動には個人的に強い関心を持ちました。
私個人は科学とひとの関係を変えるためにこれまで仕事をしてきたわけですが、単に正しい解説をしたり、学習環境をデザインしたりするだけでなく、「体験」を伴うようなアクティビティへの参加の重要性を最近強く感じるようになりました。
そういう意味ではkicoroの森の活動は、まさにアクションとして体験を共有しようとする試みなので注目せずにはいられません。自分自身が持っていない新しい視点、新しい価値観を提供する素晴らしい活動だと思います。林業へのイメージもきっと変わるはずです。
おそらく、何気なく吊橋を渡りたくて三島スカイウォークにきた観光客には気づきにくいのかもしれませんが、こういう体験こそ私は本気で周りの人にオススメしたいです。
(続く)